キャンプが育む子供の能力7つ

お子さんのいる家庭のお出かけの定番、キャンプ。自然の中で、都会とは異なる「食べる・遊ぶ・寝る」というシンプルな体験の中に、子供達の成長には欠かせない要素がたくさん詰まっています。子供達がキャンプなどを通じて、自然の中で過ごすことが教育上好ましいということを聞いたことがある親御さんも多いのではないでしょうか。でも、いざ子供達とのキャンプを検討し始めると、うちの子はまだ小さいけど行けるのか、何を持っていけばいいのか、子供の服装は街中と変えるべきなのかなどわからないこともたくさんあるかと思います。この記事では、お子さんとのキャンプデビューに興味がある方に向けて、何歳からキャンプに連れて行っていいのかといった疑問を解消しながら、キャンプを通じて子供達が育んでいる主な能力までご紹介します。どのような行動がこれらの能力をより引き出すのかも併せてお伝えしますので、ぜひキャンプ場での過ごし方の参考にしてみてください。
目次
○ チームの一員としての振舞い(自主的に行動する力と社交性)
○ 自己肯定感
○ 課題解決力
○ 料理の腕前
子供は何歳からキャンプデビューできる?
子供とキャンプに行きたいけれど、何歳から連れて行っていいのか悩む親御さんもいらっしゃるかと思います。結論から言うと、キャンプは何歳からでも楽しめます。親御さんが「キャンプに行ってみたい」と感じたときがベストタイミング。アクティブに過ごしたいのか、ゆったり過ごしたいのか、幼児から大人までそれぞれにあった楽しみ方をできるのは、キャンプの魅力のひとつです。
子供とのキャンプに必要な持ち物は?
早速キャンプに行ってみたいけれど、道具をすべて買い揃えるとなると結構な金額になりそうですよね。 テント設営に慣れるまでは日帰りキャンプやバンガローに宿泊をするなどの代替案もある ので、チェックしてみましょう。
キャンプのとき、子供は何を着ればいいの?
キャンプに行く季節によって、服装の選び方は変わります。 年間通じて伸縮性のある動きやすい格好がおすすめですが、春夏には速乾性のある素材やUVケアできるアイテムがおすすめ。秋冬には重ね着できるアイテムやレインウェアも忘れずに。


キャンプでは子供達がすべてを一人でカバーすることはとても難しいため役割分担が必要になります。普段の生活の中では起こらない寝床の確保(テントの準備)や、火起こし、薪の採集などチームの一員としてどのように動くべきか常に考えなければなりません。自分に与えられた役割をこなしながら、他の人の状況を見極め、なにか問題が起きていそうなら声をかけるなど自主的な行動力と社交性を得ることが期待できます。
自己肯定感
キャンプが自己肯定感を高めることを意外に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、自然の中で美しい景色に触れるなどの感動体験が子供の自己肯定感を高めるという研究結果が出ています。また、火起こしやテントの準備などの小さなタスクをこなす達成感や、虫取りや薪広いで、期待していた結果が得られなかったとき、自ら工夫して結果を改善した成功体験なども、子供達の自己肯定感を高めてくれます。大人がついつい口を出したくなる場面もあるとは思いますが、子供の思考を先回りして「こうした方がいいよ」と効果的な方法をすべて教えるのではなく、まずは子供達の好きなようにさせてみて、うまくいかないときに一緒に理由と改善策を考えたり、次はどのようにすればうまくいきそうかヒントを与えて、子供達が自ら軌道修正できるようにリードするようにしてみてください。
困難からの回復力(レジリエンス)

レジリエンスとは、困難な状況や脅威に対して、うまく適応できる能力・過程・適応した結果を表す言葉です。具体的には、ストレスなどの外的圧力を撥ね返す復活力と逆境や困難に押しつぶされることなく外的環境に順応していく適応力を指し、この能力が高い人は、柔軟な思考力や感情のコントロール、ポジティブ思考を通じてリスクに対応することができると言われています。
キャンプでは、魚を釣る、焚き火に使える木を集める、少ない道具で調理をするなどの小さな目標が、ひとつひとつ子供達の達成感につながります。また、目標に向かう過程で失敗してしまっても、「何がいけなかったのだろう」「次はどうすればうまくいくだろう」と考えることで、諦めずに考え、やり抜く力が培われています。このやり抜く力が、先述の自己肯定感を高めることにつながり、自己肯定感が高まることで、さまざまな困難から回復する力(レジリエンス)が高まると言われています。
課題解決力
レジリエンスを高める過程をよく見てみると、子供達が課題解決力を伸ばしていることもわかります。人間がコントロールできない自然の中で、天候の変化に見舞われたとき、焚き火がうまく点かないとき、家で練習したカレーがキャンプ場ではうまくできなかったとき、子供達は何が問題だったのか考え、課題を発見し、人に聞いたり本を読んだり、ネットでの情報収集し、最もよさそうな方法を実践してみるでしょう。この過程を繰り返すうちに、課題に直面しても解決策を自然と探せる前向きな姿勢を身につけていきます。
料理の腕前

普段は用意されたご飯を食べるだけという子供達でも、キャンプ場では、なんとなく大人が集まっているキッチンや焚き火についつい寄ってきて、進んでお手伝いしようとすることも少なくありません。餃子やフレンチトーストなど子供達のお手伝いの鉄板メニューや、棒にパン生地を巻き付けて焚き火で焼き上げるワイルドなぐるぐるパンなど、子供達が楽しんでお手伝いできるメニューを用意してキャンプに行くのもおすすめです。
キャンプは子供だけでなく大人にもいい!

キャンプには、認知症リスクを下げるのに効果的と言われている、運動、知的好奇心、コミュニケーションの要素がすべて詰まっています。大人同士のコミュニケーションによりパートナーや仲間との絆を深めることができますし、普段社会生活の中で求められている効率の良さや間違った選択をしてはいけないという緊張感などから解放されます。キャンプに行ってみたいなと思ったその好奇心に従って、自然を思い切り楽しむことで、体が疲れても精神的にリフレッシュすることができます。楽しいうえに精神的にリフレッシュして翌日からの仕事で生産性が上がるなんて、とってもお得だと思いませんか?
今度の休みは子供とキャンプに出かけよう!
子供の成長にも大人のリフレッシュにも嬉しい効果がたくさんのキャンプ。今度のお休みに、ぜひ出かけてみませんか?この記事を参考に、子供達の知的好奇心やお手伝いのきっかけを作って、心に残るキャンプの思い出を作ってみてください。
参考文献
● 日経ホームマガジン:日経Kids + 自然体験が子どもを賢く強くする! 必要なのは、「自己肯定感」