フィンランドの子育て事情|世界一の幸福度は幼少期から育まれている?

国連が発表した**「世界幸福度報告書(World Happiness Report)」(2020)** で、3年連続幸福度世界一に輝いたフィンランド。「人口当たりGDP」「社会的支援」「平均寿命」「人生選択の自由度」「寛容さ」「社会の腐敗度」の6項目を指標として、幸せの質を数値化しランキング付けしたものです。フィンランドは「 お母さんにやさしい国ランキング 」や「 男女格差ランキング 」でも上位に入っており、子育て支援と男女共同参画社会の充実度の高さが世界的に認められています。この記事では、世界一幸せな国フィンランドではどのように子育てをしているのかを社会的支援の面や教育制度の観点からご紹介します。

目次

フィンランドの子育て支援「ネウボラ」って一体何?

フィンランドで子育て世帯に届くベイビーボックスて何?

フィンランドでは子育て時の社会保障制度も充実

フィンランドでは自主性を大切にする子育てが基本

フィンランドの子育てのいいところを取り入れてみましょう

フィンランドの子育て支援「ネウボラ」って一体何?

フィンランドの子育ての中でも最も知られている支援制度が「ネウボラ」ではないでしょうか。**ウボラとは、フィンランド語で「助言・相談の場」という意味を持ち、行政が、妊娠や出産、子育てを支援する拠点のことを指します。**日本でいう保健センターのようなものですが、妊娠から就学まで担当の保健師が切れ目なく家族の健康を支援するというのが大きな特徴です。また、担当制になっているため、基本的には妊娠期から子どもが小学校にあがるまで、ずっと同じ担当者(通称「ネウボラおばさん」)が受け持ちます。母子との間に、なんでも気軽に相談しやすい関係性を築いておくことで、家庭内の問題(児童虐待やパートナー間のDVなど)が大きくなる前に早期に発見・予防・対策する役割も担っています。サポートは保健師や医師によるものだけではなく、管理栄養士、リハビリ・セラピー、ソーシャルワーカーなどとの連携も可能なので、利用者は一つの窓口で家庭や子育てに関する問題に対処できる仕組みです。

ネウボラでの支援は、なんと妊娠中から始まる

日本では、妊娠したかなと思ったら産婦人科に行きますが、フィンランドではまずネウボラへ向かいます。妊娠中に約10回、産後に15回程度の定期健診や成長に関する相談をすることができます。健診では母子の医療的なチェックだけでなく、出産や育児、家庭に関することをなんでも相談できます。実は日本の母子手帳も、妊娠期から乳幼児期までの健康に関する情報を一元管理できると国際的に評価されていますが、ちょっとした悩みを聞いてくれたり、関係各所と連携して支援してくれるネウボラの手厚さには脱帽です。

全家庭が無料で受けられる支援制度

この手厚いサポート、費用が気になりませんか?プロが必ず一人担当について長期間面倒を見てくれるネウボラ。実はネウボラの利用や妊婦検診、分娩はすべて無料なんです。さらにネウボラへの来所の動機付けに、ネウボラにへの来所が「母親手当」(子ども1人につき現金140ユーロ)や、後述の「育児パッケージ」を受け取れる条件になっています。こうした取り組みの結果、現在フィンランドの妊婦のネウボラ利用率は99.8%にのぼり、母親の孤立化や産後うつ、虐待の防止や早期発見につながっています。

対象は赤ん坊と両親、そして兄姉まで

ネウボラが支えるのは母親と生まれてくる子供だけではありません。2011年からは検診に父親の同席が求められるようになりました。妊娠期間中に最低でも1回、出産直後に1回(自宅)、4カ月と1歳半、4歳の時にそれぞれ1回の参加が求められます。パートナーの妊娠期間から子どもの存在を実感したり、新生活への不安を少しでも軽減したり、パートナーとの関係や子どもの成長、具体的な世話の方法を知ることを目的としています。これは、年上の兄姉にも、家庭環境の変化への対応の仕方などの支援があります。こうして家族全体が新しいメンバーを迎える準備を進めていくため、フィンランドでは里帰り出産をする人はほとんどいません。

ネウボラがお手本。日本の「子育て世代包括支援センター」

実は日本でも2016年に母子保健法が改正され、2017年4月から、「子育て世代包括支援センター」の設置が、全国の市区町村の努力義務となりました。2020年4月時点で全国1741自治体のうち、1288に設置されています。ただ、日本の包括支援センターとフィンランドのネウボラはまったく同じではありません。日本では自治体ごとに支援内容は異なり、担当制を取り入れている自治体は一握りです。ひとりの保健師が担当できる世帯数に限りがあることや、行政との細やかな連携が必要になるため、特に大規模な自治体での支援が手薄になるのではないかと懸念されています。そんな中、大阪市では2019年4月から担当者制を導入しました。母子健康手帳を交付する際の妊婦面接から担当保健師が面談、母子健康手帳にその保健師の名前と連絡先を記入し、いつでも相談を受け付けられるようになりました。「母子手帳を見て電話しました」という相談の電話が、保健師に届くようになったといいます。また大阪市では、出生届を提出した父親に、父子手帳「パパと子手帳」を発行し、父親の育児参加を促しています。

妊娠・出産・育児に関して悩んでいるが「誰に・どこに相談したらいいのかわからない」という方は、まず自分が住んでいる自治体でどのような支援が受けられるのかをチェックしてみてください。また、包括支援センター以外にもサポートがある自治体もあるので、母子健康手帳交付時、妊婦面接の際に、自治体で受けられる支援について保健師さんに確認するようにしましょう。

ネウボラは妊娠から就学まで担当の保健師が切れ目なく家族の健康を支援

フィンランドで子育て世帯に届くベイビーボックスて何?

イギリスで ジョージ王子が誕生した際、フィンランド政府から寄贈された ことが話題にもなった「ベイビーボックス」。これもフィンランドが誇る子育て支援のひとつです。フィンランド国内にいるすべての妊婦は、ネウボラに行くことでベイビーボックスと呼ばれる育児パッケージを受け取ることができ、この箱には衣服から衛生用品、絵本、おもちゃなど赤ちゃんの生活や子育てに必要な必需品が詰まっています。

ベイビーボックスが送付されるようになった理由

ベイビーボックスは、1938年にフィンランド政府が当時非常に高かった乳児死亡率を下げる目的で、ネウボラを訪れた妊婦へのノベルティとして配布したのが始まりです。当初は低所得の家庭のみが対象で、全体の約3分の2でしたが、11年後には対象を国内すべての妊婦に拡大し、現在ではネウボラを訪れるすべての妊婦が「母親手当(出産補助金)」のどちらか一方を選べるようになっています。

ベイビーボックスの中身

ベイビーボックスの中身は毎年変わる可能性がありますが、2021年には合計で50を超えるアイテムが入っていました。2021年現在、入っているアイテムは以下の通りです。( フィンランド社会保険機構Kela より)

● 紙箱(赤ちゃんのベッドとして使用可能)

● 冬季用コート(寝袋としても使用可能)

● 断熱ブーツ・ミトン

● 寝袋兼ブランケット

● ウールカバーオール

● ウールの帽子

● バラクラバ(顔まで覆える防寒具)

● キャップ

● ベビー服(複数)

● ベビーズボン(複数)

● タイツ

● 靴下

● マットレスとシーツ

● タオル

● お風呂の温度計

● 歯ブラシ

● 爪切り

● ヘアブラシ(ベビー用)

● ローション

● よだれ掛け

● ぬいぐるみ

● 絵本

また、子育て中の親御さんのために、以下のアイテムも入っています。

● ブラパッド

● 乳首クリーム

● コンドーム

● 生理用品

子供向けのグッズだけでなく大人の衛生用品も含まれているところに、家族全体を支援しようという気持ちを強く感じますよね。

日本でもベイビーボックスが手に入る

**児支援アイテムが盛りだくさんのベイビーボックス、実は日本でも手に入れることができます。**フィンランド政府から送られるボックスとは異なりますが、充実の中身を模した ムーミンコラボレーションのベイビーボックス などが販売されています。自分やパートナーが妊娠したときに購入してもいいですし、大切な人への贈り物にも喜ばれそうです。

育児支援アイテムが盛りだくさんのベイビーボックス、実は日本でも手に入ります。

フィンランドでは子育て時の社会保障制度も充実

ネウボラもベイビーボックスも、新しい家族を迎えるための手厚い保障制度ですが、フィンランドでは産休育休の制度も日本とは少し異なります。フィンランドでは父親が育児をするのは当たり前なので、イクメンという言葉は存在しません。「手伝う」のではなく父親として主体的に子育てをします。母親と父親のどちらが休んでもいい「親休業」や、父親の育児を促進するための「父親休業」の制度も整っていて、父親休業の取得率は8割にのぼります。

母親手当

ネウボラで検診を受けることを条件に、育児パッケージと母親手当( 補助金:現金170ユーロ )のどちらかを選べます。

母親休業

● 産前30〜50日からの105勤務日

● はじめの56日間は給与の90%、その後は給与の70%を補償

● すべての女性が取得可能

親休業

● 母親か父親か両者

● 母親休業終了後〜158勤務日

● 給与の70〜75%を補償

● 2011年の男性取得率は25%

父親休業

● 54勤務日

● 1日〜3週間までは母親が母親休業や両親休業を取得中でも利用可能

● 3週間経過後54日まで、母親休業や両親休業が終了後、母親が休暇を取得しない場合に取得可能

● 給与の約70〜75%を補償

● 2011年時点での取得率が80%

その他

上記の補償に加えて、親は雇用を維持したまま、子どもが3歳になるまで無給休業を取得し、家庭で育児する権利を与えられています。子供の成長速度や家庭環境によって多くの選択肢の中から自分の家庭に必要な休暇を取れる体制が整っていることが伺えます。

フィンランドでは自主性を大切にする子育てが基本

フィンランドは、家庭内の子育てだけでなく学校教育も日本とは一味違います。7歳から16歳までを義務教育期間とし、授業料が無料というだけでなく、子どもたちには交通費、食事(給食)、教科書や学用品まで無償で提供されます。フィンランドでは学ぶ行為そのものを義務と捉えているため、そのために必要なものや環境を整えることが国と大人たちの責任とされています。また、教員は修士号まで取得する必要があり、教員試験も難関で狭き門とされています。

フィンランド教育の大きな目的は「自主性を育む」ことです。フィンランドの年間授業日数は約190日で、OECD加盟国(34か国)の中で最も少なく、日本と比べると40日ほど少ないことになります。夏休みは6月から8月の2カ月間と長く、小学生の間は宿題やテストもほとんどありません。また、日本のような塾はなく、家での勉強時間も他の国と比べると少ないと言われています。一方で、読書量は世界一で、子どもたちは与えられた課題を受動的にこなす代わりに、自らの興味がある分野について自主的に学ぶ姿勢を培います。

また、日本では、義務教育中に留年することはほとんどありませんが、フィンランドでは義務教育中の留年も珍しいことではありません。質の高い教師陣が子どもたちがしっかりと理解することを手助けします。20人程度の少人数クラスで、「修得主義」を徹底する姿勢は、日本の「履修主義」(年齢や出席によって進級が決まる方法)と大きく異なります。

また、**習得度と同様に非常に重視されるのが子どもたちの平等です。**教育費の無償化によって環境や経済状況、居住地に左右されることなく、すべての子どもたちに教育を受けられる環境・権利が用意されています。また、どんなに簡単な問題でも子どもたちに発表の機会を与え、「個」を尊重しその多様性を評価・理解し互いに認めるトレーニングがされます。

これらの教育によってフィンランドの子どもたちは、問題が起きた時の対処法を自ら考え解決する能力と、個性を認め合って協調して幸せに生きていく術を習得することができるのです。

フィンランドの子育てのいいところを取り入れてみましょう

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